本日で草加市議会6月定例会が終了しました。
6月の定例会では草加市政に対する一般質問を2つのテーマで行いました。
2つ目の『まちづくり活動を行う市民団体への支援について』の要約を記載します。
まちの持続可能性、安全安心なまちづくりへの取組は、行政の力だけで全てを進めることはできません。
まちづくりを推進するためには、市民一人ひとりの力が必要となり、多様化する市民ニーズ、地域ニーズに対応した魅力ある地域づくりを推進していくためには、市民自らがまちづくりに参画し、行政とのパートナーシップによって取組を進めることが重要となります。
また、共通の目的を持った市民による市民団体の活動は活発化しており、社会状況の変化による課題を解決していくに当たっての地域の担い手としての役割が期待されています。
しかし、市民団体が運営活動していく上で様々な課題があります。
団体が活動していくための運営資金であったり、活動場所や人材の確保、運営メンバーの高齢化により世代交代ができないなど、各市民団体によって課題は様々あり、継続を断念した団体もあります。
そこで、行政だけでは手が届いていない地域課題におけるきめ細やかなニーズ対応の担い手としての役割が期待されている市民団体の活動が継続的かつ活発的に運営できる仕組みづくりが求められます。
そのためには、行政と市民団体との連携だけでなく、事業者や市民の皆様など様々な方と連携し、活動に参画できる仕組みづくりが重要であると考えています。
<質問>
まちづくり活動を行う市民団体への草加市の支援策の現状についてお伺いいたします。
<答弁>
草加市では、市民自治の実現とパートナーシップによるまちづくりを進めるため、平成16年に草加市みんなでまちづくり自治基本条例を制定し、市民、市議会、市の関係やそれぞれの役割と責務を明らかにし、まちづくりの基本方針を定めております。
平成19年には本条例に基づき、まちづくりの拠点として市民活動センターを設置し、多岐にわたる地域課題に対する市民活動の推進と協働の環境向上を図り、市民の皆様の自主的、主体的なまちづくりを促進するため、資金、人材、情報、場所等に関して支援を行っているところでございます。
資金面の支援につきましては、草加市ふるさとまちづくり応援基金を設置し、住みよいまちづくりを目指して草加市で非営利活動を行っている団体に対して助成を行っております。
この助成事業には、活動の初動期を支援するはじめよう部門、団体の成長、自立を支援するそだてよう部門、団体の新たな活動を支援するうごかそう部門があり、最大で1団体4回まで助成を受けることができます。
平成16年度に始まった応援基金助成事業を活用して令和2年度までの17年間に129団体が合計で約1億1,700万円の助成を受け、活動を行ってきたところです。
事業開始当初からにぎわいづくり、防犯活動、ごみ問題対策など、様々な地域課題に取り組む市民団体からの申請がありましたが、近年ではリノベーションによるまちづくりに関わる団体や子どもの健全な育成を目的とした地域の居場所づくりとしての子ども食堂を運営する団体などの申請が増えてきており、時代とともに変化する市民ニーズに合わせた活動に対して支援を行っております。
人材や団体育成の支援につきましては、市民活動センターにおいてまちづくり講座を定期的に開催し、市民活動を行う上で必要な知識や技術を得る機会を提供しております。
また、市民団体同士の新しい関係づくりや、新たに市民活動を行おうとする市民の皆様の交流、情報交換の場としてみんなでまちづくり会議や協働の広場の運営を行うとともに、SNSなどにより市民活動に有益な情報を発信しているところでございます。
市民活動を行う場所の支援につきましては、市民活動センターやコミュニティセンターに会議室や自由に交流できるスペース等を備えており、市民団体の活動の場として市民の皆様に御利用いただいております。
さらに、市民活動を安心して行っていただくため、市民活動災害補償制度を設け、活動中に発生した事故やけが等に対して、保険対応による補償を行っております。
<質問>
市民団体からの支援の要望としてどのようなものがあるのかお伺いいたします。
<答弁>
多くの市民団体は、継続的な活動をするための資金や資源の確保について課題を抱えており、民間助成金等について御相談をいただくことがございます。
また、今後の市民活動の中核を担う人材の確保や、市民活動の維持・発展に向けて必要な情報やノウハウの不足なども課題として伺っているところです。
草加市としましては、市民団体の自立した活動を目指した支援として、草加市ふるさとまちづくり応援基金による助成を1団体最大4回までとしているところですが、助成後につきましても、継続して市民団体が抱える課題について相談をお受けする中で、民間助成金制度の紹介やまちづくり講座の開催など、課題解決に向けて必要な情報を随時提供しているところでございます。
<質問>
ある市民の方から、知り合いの事業者が子ども食堂を行っている団体に対して何かしらの支援をしたいけれども、何の支援ができるのか教えてほしいという御相談をいただきました。
そこで私が思ったことが、まちづくり活動を行っている市民団体に対して支援をしたいと考えている事業者が潜在的にいるにも関わらず、市民団体とつながっておらず連携できていないと思いました。
市民団体側としたら、各団体が自身のSNSやホームページなどで活動内容や支援要望などを発信するにしても、団体によって発信力が違いますし、何かしらの御支援がしたいと思っている事業者としては、各団体が発信する個別のSNSやホームページを見ないといけないという手間が発生します。
それでは市民団体と支援いただける事業者との連携や交流がしづらいのではないかと感じます。
市民団体と事業者の連携がもっと活性化することができれば、市民団体活動がより継続的になるとともに、市民団体活動のサービスを通じて、まちの魅力や地域の価値の創出につながると思います。
市民団体と事業者の連携の活性化のために、市民団体と事業者をつなぐ仕組みづくりが求められます。
例えば草加市のホームページを活用し、市民団体と支援いただける事業者が連携しやすいページを作成するなどです。
具体的には、そのページには市民団体側は市民団体の活動内容や支援いただきたい内容を掲載し、何かしらの支援を検討している事業者側は、そのページを閲覧することで市民団体の活動や支援要望が一覧で把握でき、共感できる市民団体に対して支援につなげていくというものです。
市民団体側のメリットとしては、各団体のSNSなどの発信だけではなく、草加市のホームページに掲載されるわけですから、発信力が高まります。
事業者側のメリットとしては、そのページを閲覧すれば事業者が支援したい市民団体を探しやすくなります。
結果、うまくマッチングすれば、市民団体は事業者から支援を受けることができ、市民団体の活動がより継続的かつ活発的に行うことができる仕組みになります。
ほかにもまちづくり講座を市民団体だけでなく、事業者に対しても講座に参加していただいて、市民団体と連携してまちづくり活動の参画を図るなども考えられます。
質問に戻りますが、事業者から市民団体を支援、応援したいとのニーズを草加市はどのように捉えているのかお伺いいたします。
<答弁>
市民団体を支援したいという事業者の皆様からの御相談を受けたした場合には、その都度事業者と市民団体とをつなげる調整を行い、双方が連携できるよう対応しているところでございます。
近年、事業者の社会貢献を意味するCSR活動への関心が高まる中、ソーシャルビジネスを考える社会的企業の活動も注目されております。
社会貢献や地域活動に対する事業者の活動が広がりを見せており、まちづくりを推進していく上で、これらの事業者による協力は今後ますます不可欠になっていくものと考えております。
<質問>
市民団体と事業者との連携を活性化するために、市民団体と事業者をつなぐ仕組みづくりが必要であると考えますが、草加市の見解をお伺いいたします。
<答弁>
草加市としましても、市民団体が抱える課題に対し、異なる視点や価値観を持つ事業者と市民団体との交流、連携はお互いの特徴を生かし、持続的な市民活動を行うとともに、新たなまちの魅力や地域の価値の創出につながる可能性があるものと考えております。
今後につきましては、まちづくり講座などの開催に当たって、市民団体だけでなく、事業者に対してもまちづくり活動の担い手となっていただけるよう幅広い周知を行うとともに、市民団体や事業者等のニーズを伺いながら、市のホームページの中に市民団体と事業者とが連携できるページを作成したり、双方が交流できるイベント等の機会を設けるなど、市民団体と事業者とをつなぐ取組を進め、市民活動の促進につなげてまいります。
<要望>
草加市内にすばらしい活動をされている市民団体が数多く存在いたします。
御答弁にありました草加市のホームページの中に市民団体と事業者とが連携できるページの作成等、市民団体と事業者をつなぐ仕組みを進め、市民活動の促進につなげていただくよう要望します。
追記(2021年8月24日)
一般質問で要望しました草加市のホームページの中に市民団体と事業者とが連携できるマッチングページが8月23日に開設しました!
このマッチングページを通じて多くの市民団体と事業者が連携してほしいです。
詳細はこちら
草加市議会議員
菊地慶太(きくちけいた)