本日で草加市議会6月定例会が終了しました。
6月の定例会では草加市政に対する一般質問を2つのテーマで行いました。
1つ目の『障がい者と共に働くまちづくりについて』の内容を記載します。
草加市役所における障がい者雇用の推進の観点と民間事業者における障がい者の就労促進の二つの観点から質問してまいります。
まず、草加市役所における障がい者雇用の推進の観点からです。
草加市役所は市内最大級の事業所であり、市民生活に欠かせない多岐にわたる職場を持っています。
障がい者雇用のお手本となる取組を行い、障がい者雇用に対するノウハウを蓄積し、そのノウハウを庁内だけで生かすのではなく、民間事業者における障がい者雇用促進の役割を担うことを期待しています。
しかし、現状では、法定雇用率2.60%に対し、令和3年度の草加市役所の障がい者の雇用率は1.60%であり、1ポイントの乖離がある状況です。
<質問>
市職員の障がい者雇用対策におけるこれまでの取組についてお伺いいたします。
<答弁>
正規職員の採用試験において、年齢要件を45歳まで拡大し年3回実施してきたほか、障がいの種別を限定せずに募集を行うなど、応募機会の拡充を図ってきました。
一方、正規職員の採用だけでは雇用率の達成は困難な状況であることから、職域を拡大する観点から非常勤職員での任用を検討してきました。
そこで、令和3年度より、新たな試みといたしまして、一般企業等への就労を目指す方を会計年度任用職員として任用するチャレンジ雇用を開始し、現在1名の方を任用しているところです。
チャレンジ雇用での具体的な業務内容についてでございますが、書類の仕分けや封入作業などです。
職員課に分室を設け、分室において庁内の各所属からそれらの業務の一部を調整して請け負い、その業務の一部を担っています。
このような市の業務を通じて本人のスキルアップを図ることが可能になるものと考えています。
また、各所属の業務の一部を担うことで、職員の障がいのある方に対する理解も深まり、事務負担の軽減にもつながるものとして期待をしているところです。
<質問>
チャレンジ雇用はよい取組だと思いますが、ご答弁では現状1名の任用のみであり、さらなる増員を行っていくべきだと感じています。
増員を行うためには増員に見合った業務量を確保する必要があると思いますので、既存の業務範囲だけでなく、各部署から協力を得て業務範囲の拡大を図ることや、現在の職員課分室内だけの作業ではなく、庁内のほかの場所での作業を行うことを検討すべきであると思います。
また、チャレンジ雇用の増員だけでなく、正規職員の障がい者雇用も増やしていくべきです。
そこで、今後正規職員を含め障がい者の雇用を増やしていく必要があると思いますが、今後の市職員の障がい者雇用の取組についてお伺いいたします。
<答弁>
正規職員に関しましては、引き続き障がい者を対象とした採用試験を実施し、職員を確保していきます。
また、会計年度任用職員につきましては、チャレンジ雇用の職員を増やしてまいりたいと考えています。
チャレンジ雇用の増員に当たりましては、増員に合った一定の業務の確保が必要になってまいりますが、様々な業務を経験することが本人のスキルアップにもつながることから、各所属の協力を得ながら業務範囲を拡大し、担う業務を増やしていきたいと考えています。
また、今後チャレンジ雇用を拡大する中では、現在の職員課分室での作業だけではなく、庁内の他の所属においても活躍の場があるものと思います。
チャレンジ雇用者それぞれの障がい特性に応じて他の所属へ配属することなども含め、他の先進的な事例を研究する中で、様々な可能性を検討しながら障がい者雇用の促進に努めてたいと考えています。
<質問>
民間事業者における障がい者の就労促進についてです。
市役所内における障がい者雇用だけでなく、民間事業者における障がい者の就労促進も大切であると考えています。
民間事業者における障がい者の就労に向けた取組は、草加市が委託している草加市障害者就労支援センターが主であると認識しています。
障がい者の就労に向けた取組についてお伺いいたします。
<答弁>
草加市が社会福祉法人草加市社会福祉事業団に運営を委託しております草加市障害者就労支援センターでは、障がい者やその家族からの就労全般に関する相談に対応しており、個々の障がいの特性や就労適性などを把握しながら、それぞれの状態に合わせて就労意欲や就労能力の向上に取り組んでいるとともに、関係機関や就労先の候補となる民間事業者等との連携、調整、情報共有を行うなど総合的な支援体制の構築に努めながら、障がい者の一般就労の促進に向けた支援を行っています。
<質問>
草加市障害者就労支援センターの利用登録者から就職した方の実績について、直近3年分の推移をお伺いいたします。
<答弁>
令和元年度が50人、令和2年度が48人、令和3年度が72人となっています。
<質問>
民間事業者における就労促進には、障がい者を雇用する民間事業者を増やしていく必要があります。
障がい者の就労促進における民間事業者の開拓に向けた取組についてお伺いいたします。
<答弁>
草加市障害者就労支援センターや東部障がい者就業・生活支援センターみらいにおいて、ハローワーク等の関係機関と連携し、民間事業者に対して障がい者の就労支援や障がい者雇用の理解を促す研修や情報提供を行うことにより、障がい者雇用の促進につなげているところです。
また、ハローワークなどの就労支援機関や特別支援学校、草加商工会議所、草加市基幹相談支援センターなどの関係機関で構成されております草加市障がい者就労支援連絡会において障がいのある方の一般就労の定着に向けた協議を行っており、受け入れ側の民間事業者の現状把握や情報交換などを通じて就労先の開拓につながるよう取り組んでいます。
<質問>
越谷市では、市独自の事業である越谷市障害者地域適応支援事業というものがあります。
この事業内容は、一般雇用が難しい障がい者を対象に、越谷市内の民間企業や越谷市役所などの公的機関で職場実習や職場参加を通して障がい者が地域社会での就労能力や適応能力を高めるものとなっています。
障がい者の職場実習や職場参加を通じて障がい者と直接触れ合うことで、職場内での障がい者への理解促進や差別解消につながり、障がい者の働きやすい環境づくりにつながるのではないかと考えています。
障がい者向け職業体験、実習を行っている民間事業者を把握し、参加を希望する方々に案内を行っているのかお伺いいたします。
<答弁>
草加市障害者就労支援センターでは、主にハローワークや東部障がい者就業・生活支援センターみらい、特別支援学校等関係機関と情報共有や連携を図りながら、利用登録者の希望に添った民間事業者等に対し、個々の状況に合った準備訓練や実習ができるよう調整を行っています。
そうしたことから、受け入れ側の民間事業者等も安心して職場実習に臨めるような取組を行った結果、令和3年度実績では、市内外の30か所の民間事業者等において職場実習の受け入れが行われている状況となっています。
<質問>
障がい者と職場や地域が働く環境においてお互いに適応していく仕組みづくりが大切だと思いますが、草加市の考えをお伺いいたします。
<答弁>
障がい者の働き方の多様性を広げる観点から、職場や地域で働くことに適応できる環境を整備することは必要な取組であると認識しています。
障がい者の就労に向けた取組といたしましては、障がい者と職場や地域の相互理解を深めながら進めていく必要があることから、引き続き就労移行支援事業等の障がい福祉サービス事業者や草加市障害者就労支援センター等と連携を図るとともに、草加市基幹相談センター、相談支援事業所、就労サービス事業所などで構成されている草加市自立支援協議会の就労支援部会や草加市障がい者就労支援連絡会などの場を活用しながら、地域全体で障がい者の就労や体験の場を創出する機運の醸成を図るなど、地域共生社会を実現する仕組みづくりを進めていきたいと考えています。