草加市政に対する一般質問【防災及び災害対策について】2019年12月議会

昨日で12月定例議会(12月5日~12月19日)が終了しました。
12月の定例議会では草加市政に対する一般質問を2つのテーマで行いました。

1つ目の『防災及び災害対策について』の要約版を記載します。

今年は、記録的な大雨をもたらしました台風15号及び台風19号の影響により、各地で大きな被害が出ました。
洪水や土砂崩れ、河川の決壊が起き、インフラや交通にも大きな影響を及ぼしました。
被害が大きかった地域では、現在も復旧活動が進められています。
昨今、災害の大規模化及び災害の頻度が高くなっている中、市民一人ひとりが防災や災害対策への意識を向上させることはもちろん大切なことですが、行政や連携機関における防災及び災害対策も重要なことですので、防災及び災害対策について質問を行いました。

<質問>
草加市の災害時の体制はどのようになっているのか?
<回答>
草加市で大規模な災害が発生したとき、または発生するおそれがあるときは、草加市地域防災計画に基づきまして、市長を本部長とする災害対策本部を設置する。
災害対策本部では、市長室が中心となって災害対応全般の庶務、調整を行うとともに、各部局においては、災害対応業務を担う対策部が編成され、本部長が定める方針のもと、災害対応を行うこととなっている。

<質問>
災害時は、行政だけの体制ではなく、連携している機関や団体も重要な役割を担っている。
現在の災害協定の締結状況はどうなっているのか?
<回答>
大規模な災害が発生した際、災害対策活動の円滑名運用を図るため、市内外の108の事業者、団体、機関などを相手方として、広報広聴活動、被災者支援、避難場所等の提供や、水、食料、物資等の調達など、68の分野にわたり、災害対応に係る協定を締結している。

<質問>
草加市内の自主防災組織の団体数と団体への支援はどのようになっているのか?
<回答>
草加市内の自主防災組織は、現在136の団体である。
これらの登録団体には、年間5万円を上限とする補助金を交付し、活動に対する支援を行っているほか、埼玉県が認定する指導員をお招きし、自主防犯組織の方々を対象とした自主防犯組織リーダー養成講座を毎年度開催している。

<質問>
災害時には、被災地のために復旧・復興のお手伝いを行う災害ボランティアの存在も欠かせない。
家屋の片づけや炊き出し等の直接的な復旧支援のみならず、被災者の活力を取り戻すための交流機会づくりや被災者への寄り添いなど、多岐にわたる役割が期待されている。
草加市では災害ボランティアの登録を草加市社会福祉協議会が取りまとめていただいているが、災害ボランティアの登録人数は?
<回答>
草加市社会福祉協議会に確認したところ、災害ボランティア制度への事前登録数は、本年12月4日現在で121名である。

<質問>
災害時は、災害情報や避難所開設情報などの情報を多くの方にリアルタイムで発信する必要性がある。
災害時の情報発信についての取り組み内容は?
<回答>
災害情報の発信方法は、草加市内127カ所に設置している防災行政無線による放送があるが、気密性の高い住宅や雨風が強いときには十分に伝達できないといった課題がある。
避難情報などの緊急速報メールなど、携帯電話を通じた情報発信やテレビ、ラジオなどの報道機関にも配信を行っているが、広く市民の皆様に必要な情報をお伝えできるよう、本年5月からは、草加市あんしんメールにおいて放送内容の同時配信を行うとともに、有料になるが、11月からは、ケーブルテレビのジェイコムが提供する防災情報サービス専用端末からも放送内容を聞くことができるようになった。
また、11月下旬からは、災害時における情報伝達手段の一つとして、ツイッターの公式アカウントを開設し、災害情報や防犯情報に関する情報の発信を開始したところである。
なお、防災行政無線の放送と同時に電話で放送内容を直接お伝えする草加市あんしん電話については、災害時に特に支援を要する避難行動要支援者の方々を対象に、今年度中の運用開始に向けて準備を進めており、運用開始後は、この登録者の拡大に向けた検証を行いたいと考えている。

<質問>
今回の台風第19号では、本市では公民館や小・中学校を避難所として開設したが、収容可能人数はどのくらいなのか?
<回答>
収容可能人数は、草加市地域防災計画において定めており、公民館、文化センターは6施設合わせて約2,500名、小・中学校は32校合わせて約5万8,000名で、公民館、文化センターと小・中学校の全てを合計すると約6万1,000名の収容が可能となっている。

<質問>
仮に、公民館や小・中学校の避難所の収容可能人数を超えた場合、どのように対応するのか?
<回答>
公民館、文化センター、小・中学校での収容が困難となった場合には、記念体育館や市民体育館などの市の他の公共施設のほか、県立高校や獨協大学などを避難所として順次開設し、対応を図っていく予定である。

<質問>
避難所において、乳幼児を連れた親御さん、車椅子の方などの一定の配慮を要する方への対応方法は?
<回答>
毎年度実施している避難所運営市民防災訓練の訓練マニュアルでは、乳幼児や障がいをお持ちの方が避難された場合の対応方法について具体的に記載し、いざというときに円滑な対応が図れるよう、避難所運営委員会の方々に周知を図っているほか、聴覚障がい者の方には、訓練に一緒に御参加をいただき、その対応方法を検証するなど、一定の配慮を要する方への対応の改善に向けた取り組みを進めているところである。
また、アレルギーを持つ乳幼児に対応した粉ミルクのほか、これまでの訓練で得られた課題の改善に向け、今年度は、新たに授乳室などに対応できるテント式のワンタッチ式プライベートルームや、筆談にも活用できる磁気ボードを備蓄品として配備しており、今後も、避難所運営委員会の方々などからの御意見を参考に必要な対応を図っていきたいと考えている。

<質問>
大規模災害が発生した場合、食料品の供給がストップしたり、店頭に残っている保存性の高い食料品への需要が集中することで、品薄状態や売り切れ状態となり、必要な食料品が手に入りづらくなることが想定される。
草加市では災害時の備蓄食料を何食分備えているのか?
<回答>
本年11月末現在で、草加市が備蓄している食料の合計につきましては、約14万食となっている。

<質問>
高齢者や障がい者、乳幼児、その他の特に配慮を要する方を要配慮者といい、その中でも、災害時にみずから避難することが難しい方を、草加市では避難行動要支援者と定義している。
草加市では避難行動要支援者の対象者数は何名いるか?
また、12圏域で比較した場合、対象者が多い圏域の上位三つの地区と対象者数は?
<回答>
令和元年12月1日現在、1,062名が登録している。
12圏域で比較した場合、多い圏域の上位三つの地区とその人数については、登録者の多い順に、新田地区187名、草加中央地区107名、草加西部地区と安行地区が同数で104名である。

<質問>
避難行動要支援者に対してどのような支援を行うのか?
<回答>
あらかじめ避難行動要支援者名簿を作成し、対象者の同意のもとに、登録された氏名、住所などの個人情報を、民生委員や地域包括支援センターなど避難支援等関係者に提供し、平常時における見守り活動に活用している。
また、災害時には、個人情報の同意の有無にかかわりなく、消防、警察、自衛隊などの避難支援等関係者に対しても避難行動要支援者名簿を提供し、安否確認や避難支援等を速やかに受けられるようにしている。

<質問>
災害時に配慮が必要な方の中には、日本語が不なれな外国人も含まれる。
外国人に対して、事前に災害時の対応についての啓発活動をどのように行っているのか?
<回答>
英語及び中国語で記載された転入の御案内には、地震及び水害に関する事柄を記載し、転入時における注意喚起を図っている。
また、国際相談コーナーのほか、市民課、各サービスセンターの窓口などでは、災害に関する注意喚起のほか、災害時多言語支援センターの役割などを複数の言語で翻訳をしたガイドブック草加を配布している。

<質問>
災害時には、外国人への情報発信はどのように取り組むのか?
<回答>
外国人の方への災害情報に関する支援は、緊急地震速報や国民保護情報などのJアラートと連動して放送内容を配信する草加市あんしんメールにおいては、日本語とともに、英語訳を付して文章を配信する設定を行っている。
なお、国においては、英語、中国語、韓国語で緊急情報を配信するアプリ、セーフティティップスを導入するなど、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、さまざまな支援事業を展開している。
今後は、国が行うこれらの事業の連携、活用を図りながら、より実効性の高い支援を検討していく。
災害時における外国人の方への支援については、発災後3日までをめどに多言語支援センターの立ち上げ、災害時通訳ボランティアの方々に協力をいただきながら体制を整える。

<質問>
日本語が不なれな外国人に対して、災害通訳ボランティアの存在は大きいと考えている。
災害通訳ボランティアの登録人数と災害時の活動内容は?
<回答>
災害時通訳ボランティアには、現在60名の方に登録がある。
災害時の活動内容は、多言語支援センターを拠点として、避難所などで外国人の方からの相談や問い合わせに外国語で対応していただくこと、また、日本語で知らせする災害情報の翻訳などに協力いただくことを想定している。

<質問>
災害ボランティアは、おおむね、災害発生時から24時間以内に市の災害ボランティアセンターの設置の判断を行い、設置の場合は災害発生からおおむね72時間以内に運営を開始できるように準備するとなっている。
災害発生直後は、避難所を運営する職員等が、数日間、日本語が不なれな外国人の対応をすることも想定される。
災害ボランティアの運営が開始される前に、避難所での外国人への対応についてはどのように考えているのか?
<回答>
各避難所の防災備蓄倉庫の中には、必要最低限のコミュニケーションをとれるよう、九つの言語で翻訳をした多言語表示シートのほか、外国人の方がお困りの際に活用する想定問答集などを収納した外国語コミュニケーションキットを備えている。
また、外国人観光者などへのコミュニケーション手段として利用が拡大しつつある、27言語に対応した音声翻訳アプリ、ボイストラの活用も想定しているところである。
なお、避難所運営市民防災訓練を契機に、NPO法人リビングインジャパンを初めとする災害時通訳ボランティアの方々と各避難所運営委員会が、訓練を通じた連携方法の検討、検証作業に取り組んでおり、草加市としても、この取り組みを引き続き支援していくことで、支援体制の拡充を図っていきたい。

<質問>
今回の台風第19号の草加市の災害対策では、避難所開設や避難情報の発令などの対応を行ってきた。
台風第19号における埼玉県内及び草加市内の浸水状況は?
<回答>
埼玉県の11月29日現在の報道発表資料では、埼玉県内の63の市町村のうち40の市町村で合計2,360棟の床上浸水被害がある。
このうち、草加市を含めた23の市町では床上浸水被害がなく、県東南部5市1町においては、越谷市を除き床上浸水の被害は確認されていない状況となっている。

<質問>
台風第19号の災害対策について、草加市の認識している課題点や今後の改善対応は?
<回答>
今回の台風対応を通して、草加市として課題として捉えた点については、まず、避難情報の発令に関しての関係機関や報道内容などの情報収集の迅速化、また、近隣自治体とのさらなる連携のほか、市民ニーズに対応した早目の避難所情報の発令などがある。
また、避難所に関しては、早急な開設の判断と準備、開設要員の確保のほか、避難所の方々の対応にかかわるルールの整備などがある。
さらに、草加市の体制については、参集体制、広報広聴に係る対応業務の拡充、長時間対応に係る職員の労務管理などが挙げられる。
今後は、これらを踏まえまして、県東南部の5市1町や県南4市、足立区などと意見交換を行い、引き続き台風第19号の検証作業を進め、来年度の出水期までに行う短期的対策と中長期的な視野に立って検討すべき対策を整理の上、迅速かつ適切に対応できるよう、計画と体制づくりの構築に向けて取り組んでいきたい。

<質問>
災害の大規模化及び災害の頻度が高くなっており、かつ、災害時に配慮が必要である外国人の増加及び今後高齢者の比率が増えていく中で、今まで以上の防災及び災害対策が求められる。
防災及び災害対策の中心を担う危機管理課の人員体制の増員について、草加市の見解は?
<回答>
市民の生命、財産を守る上で、防災及び災害対策は重要であり、今後はこれまで以上に執行体制の強化を図っていくことが重要であると認識している。
職員配置につきましては、毎年度行っております各部局との定数ヒアリングの結果により、必要性や優先度などを考慮し、人件費や草加市全体の職員配置の状況などを勘案する中で行っているところである。
今後も適正な配置に努めていく。

2つ目の一般質問の『妊婦一般健康診査及び妊婦歯科健康診査について』もご覧くださいませ。

草加市議会議員
菊地 慶太