【子どもの学習支援事業について】草加市政に対する一般質問(2021年9月議会)

本日で草加市議会9月定例会が終了しました。
9月の定例会では草加市政に対する一般質問を2つのテーマで行いました。

1つ目の『子どもの学習支援事業について』の要約を記載します。

子どもの学習支援事業は、草加市内において生活保護を受給している世帯及び市内に居住する生活困窮世帯の小学生、中学生及び高校生を対象に、無料で受けることができる支援事業です。
支援内容は、学習教室の開催や家庭学習習慣の定着に向けた支援、進路相談などの学習支援だけでなく、家庭支援としてひきこもり、不登校及び退学防止のための支援や保護者に対する養育支援も行っております。
小学生には月1回程度、自宅に訪問する家庭訪問型の支援、中学生には毎週2回、高校生には毎週1回の通学型の支援を行っています。

この支援事業は、単に勉強を教えるだけでなく、子どもたちの居場所づくり、日常生活の支援、保護者への養育支援など、子どもたちの将来の自立に向けた包括的な支援を行っています。
必要とする世帯にとってはとても大切な事業であり、必要とする世帯は誰もが利用していただきたいと考えています。

しかし、先日ある市民の方から、子どもの学習支援事業を申請したけれども、受け入れてもらえなかったという悲痛の相談がありました。
今年度に受け入れてもらえず、学習支援や家庭支援を受けられなかった子どもや保護者にとっての1年間の影響は大きいものだと思います。
私は、利用対象に合う世帯であれば、利用を希望する世帯全ての方々に利用できるようにすべきであると考えています。

そこで、子どもの学習支援事業について、現状の確認や受け入れ定員数の拡大を求めるべく、質問を行いました。

<質問>
子どもの学習支援事業の必要性をどのように捉えているのか、お伺いいたします。
<答弁>
この事業は、平成27年4月1日に生活困窮者自立支援法が施行されたことに伴い、生活保護世帯及び生活困窮世帯に属する小学生、中学生、高校生及びその保護者に対し、学習支援や家庭支援等を実施する事業でございます。
具体な支援内容としまして、草加市では、小学生に対しては家庭訪問による学習支援を月1回実施し、家庭学習習慣の定着に向けた支援等を行ってございます。
また、中学生に対しましては週2回、高校生に対しましては週1回の学習教室を開催し、高校や大学等への進学に向けた支援や、学校の勉強の学び直し等を行っております。
さらに、保護者に対しては養育支援を実施し、親子のコミュニケーション支援、子育て及び教育に関する相談支援を行っているところでございます。
このような取組を行うことによって、本事業は子どもが自ら困難を解決できる力を身につけ、貧困の連鎖を断ち切ることにつながる非常に重要な事業と認識してございます。
さらに、子どもの学力向上、家庭内における学習環境の改善、親子間のより良好な関係性の構築を図るため、本事業を利用されている方の御意見やニーズを取り入れ、事業を充実させていく必要もあると考えてございます。

<質問>
子どもの学習支援事業の定員数と利用者数の現状及び対前年度比についてお伺いいたします。
<答弁>
今年度の定員は、小学生40人、中学生40人、高校生30人の合計110人としております。
令和2年度の定員は、小学生30人、中学生50人、高校生30人の合計110人でございましたので、前年度と比較いたしますと、合計人数は変わりませんが、利用状況を踏まえ、小学生を10人増やす一方、中学生を10人減らしています。
また、今年度の利用者数は、令和3年8月31日時点で、小学生45人、中学生35人、高校生等17人の合計97人となっております。
令和2年度の利用者数は、小学生45人、中学生32人、高校生等14人の合計91人でございましたので、前年度と比較いたしますと、中学生と高校生等がそれぞれ3人増えている状況となってございます。

<質問>
今年度に利用を希望している方からの申請で受け入れができていない事例はあるのか、お伺いいたします。
<答弁>
利用の希望があり受け入れできていない方が、令和3年8月31日時点の状況で申し上げますと、小学1年生1人、小学5年生2人、小学6年生1人、中学1年生2人、中学2年生1人の合計7人でございます。
なお、その方々に対しましては、利用待機者リストに登録をし、空きが出た場合には順次利用案内を行う予定でございます。

<質問>
速やかに受け入れができていない理由をお伺いいたします。
<答弁>
小学生につきましては、定員を満たしているため、これ以上の家庭訪問の実施が難しいこと、中高生を対象に実施している学習教室につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、会場の使用人数を制限せざるを得ない状況であり、定員上限の受け入れができないことによるものでございます。

<質問>
現状受け入れができていない小・中学生が7名もいるとの御答弁でしたが、受け入れをしていく工夫をすべきであると思います。
草加市の見解をお伺いいたします。
<答弁>
本事業の利用を希望する方は年々増加傾向にあることから、受け入れる工夫の必要性があると認識してございます。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することも念頭に入れた上で、電話連絡、課題プリントの郵送またはオンラインでの学習支援等を活用し、今まで以上に家庭訪問や学習教室で受け入れられる人数を増やす工夫を行うことで、多くの小・中学生が利用できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
受け入れ人数を拡大することができないのかについてでございますが、小学生につきましては、家庭訪問のニーズが高いことから、次年度以降の定員の拡大について検討してまいります。

<質問>
例えば、中学生は新型コロナウイルス感染症の影響により会場の受け入れ人数を減らしているため受け入れができていないとの御答弁でしたが、今利用している会場よりも広い市内施設を活用することで、受け入れ人数を拡大することはできないのかお伺いいたします。
<答弁>
中高生を対象とした学習教室の会場につきましては、現在、より広い会場を令和3年12月以降に使用できるよう調整していきます。

<要望>
今年度の受け入れ人数の拡大についてですが、会場変更やオンライン学習支援などの工夫をしていくとの御答弁でした。できるだけ早く実施していただき、利用待機者が利用できるように要望いたします。
また、来年度以降の定員枠の拡大を検討していくとの御答弁でした。
来年度も新型コロナウイルス感染症の影響により、引き続き利用希望者は一定数いることが想定されます。
今年度のように利用希望者の受け入れができない状況にならないよう、定員数の拡大していただくことを要望します。

草加市議会議員
菊地慶太(きくちけいた)